明日もうっかり腹鼓

同人情報とかマニアックな話とかのごった煮。

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ぽんくらネタ帳 拓也SS

事故から何年か経った日のことなんスけどね、不意に空が曇ったかと思えば、ざーーって降ってきて。
あ、雨だなぁ、って思いつつも……ほら、おれってこんなだから、別に濡れても汚れもしないし風邪もひかないわけで。
どうでもいいやって思って、その場にペタッて座ってぼーっとしてたんスよ。

ずーっと空見てたんだけど、一向に止む気配もなくて、むしろどんどん強くなってきて。
お墓の外に目を向けてみると、道を歩く人みんなカサさして急ぎ足で歩いてく。
大変だなァ。そんなに慌てると滑って転ぶよ~、な~んて思いながらそれ見てた。

案の定、水たまりで派手に転んだ男の子がいたんスけど、一緒にいたお母さんが困った顔して手を取って起こしてあげてた。
手ぇつないで、また歩き出してった。

――あ、そっか。雨に濡れて「イヤだなぁ」って思う気持ちも、「生きてる」ってことなんだよなぁ。

ふとそんなことを考えちゃって、なんか涙出てきちゃって……

あぁ、おれ、雨の冷たさが思い出せないや。
風が運んでくる街の匂いも、もうわからない。
自分がどんどんこの世界から遠ざかってるんだなぁってことに気づいて、急に怖くなった。

――あねごに、逢いたいなァ。

もし、あねごがもうこの先ここに来てくれなかったら……?
何十年か経ってもここを動けないおれは、あねごのことをずっと覚えていられるのかな。

もし忘れてしまったら――その時、おれは……?

――あねごに、逢いたいなァ……

拓也

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